鍼灸は日本で約1500年の歴史がある治療法で、さまざまな病気の治療や予防として行われてきました。
医療が発達した現在においてもその効果と安全性が注目され、多くの国で行われています。
鍼灸の目的は身体の痛みや不調を緩和し、本来の回復力・自然治癒力を引き出すことです。
痛みや筋肉のコリだけでなく、循環を改善したり、自律神経へ働きかけて、さまざまな苦痛を取り除くほか、心身のリラクゼーション効果や健康を維持し病気を予防する効果も期待できます。
とくに慢性的な苦痛を持っていたり、たくさんの症状を持っていたりする方は、治療を継続することで良い状態を保てている方が多くみられます。
東洋医学の考え方を元に患者さまの症状に合った経穴(ツボ)を選び、髪の毛程の鍼を1~2ミリ皮膚に刺すことによってお悩みの辛い症状を緩和していきます。
また灸治療では熱刺激により血行が改善され、身体の凝りをほぐすと共に鎮静効果も期待できます。
■経絡と経穴(ツボ)
経絡とは東洋医学でいう「気」が巡る通路のことで、血管や神経のように目に見えるものではありません。
「気」とは生命活動のエネルギーを表し、この「気」の出入り口が経穴です。
「気」の流れがどこかで滞ると身体の様々なところに不調となって現れると考えられています。
経絡治療は不調に関連する経穴を刺激して滞りを解消し「気」の流れを良くして不調を緩和させます。
■鍼について
鍼治療とは、全身に点在する経穴(つぼ)を鍼により刺激して、人が元々持っている自然治癒力を高めることを目的にしています。
筋肉をほぐしたり、血行や代謝を促したりすることで、痛みやつらい症状を改善していきます。特に免疫系、内分泌系、自律神経系に働きかけ自然治癒力を高めます
極めて細いステンレス製の鍼を用いて、経穴(つぼ)に刺入または接触させていきます。鍼は、裁縫針や注射針とは異なり、できるだけ痛みを伴わないよう尖端の形状が加工されており、可能な限り無痛で刺入をすることができるようになっています。
当院では1回限りのディスポ鍼を使用しておりますのでご安心ください。
■お灸について
灸治療は艾(もぐさ)を使って温熱刺激をツボや患部に与える治療です。
温熱刺激による血流改善による効果が主です。血流が良くなれば痛みの軽減、造血作用の促進、免疫系の活性化などの効果があります。
またお灸は鍼との相性も良く並行して使うことにより高い治療効果が期待できます。
■施術回数と期間
患者様のお悩みにより、回数と期間はさまざまです。初回のカウンセリングで、患者様に合わせた治療プランを一緒に決めていきます。
1つの目安として、症状や痛みを抱えている方は、最初は週1回のペースで4回~5回ご来院ください。そのペースで施術を行なうと症状や痛みが軽減していきます。 落ち着いて来てからは、2週間に1~2回の施術ペースで2か月間ほど行います。 その期間では、症状や痛みに対しての治療に加え、免疫力や自然治癒能力を高めるような治療も行うことで体質を変えながら症状・痛みが再発しないような身体へと変えていきます。
3ヵ月の期間で8~9回ほどの治療で、お悩みである症状や痛みだけでなく、身体本来の状態に戻っていきます。